アレルギー性結膜炎の患者数は全国で推定2,000万人、その大半は花粉が原因の季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)であると言われています。その他に、ハウスダストなどが原因の通年性アレルギー性結膜炎などがあります。食生活や生活環境の変化に伴って患者数は年々増加しています。原因となる花粉は、春先に飛ぶスギ花粉が最も多く、全体の約80%を占めています。
症状
スギ、ヒノキの花粉、ハウスダストなどが原因となって、目のかゆみ・充血・涙目・異物感などがあり、目の周りやまぶたがはれることもあります。目以外の症状として、くしゃみ・鼻汁・頭痛・咳などがあります。
アレルギー体質の方は花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が目や花の粘膜に付着し体内に入ると、それらを異物と判断して排除しようとする免疫反応が起こり、アレルギー症状を起こします。毎年、花粉が飛散する季節に繰り返し症状が出ます。今まで症状がなくても、ある年から突然花粉症になることもあります。
検査について
アレルゲンを調べる皮膚テストや採血がありますが、当院では8種類のアレルゲンを測定する検査が可能です。指先からの採血により20分で結果がわかるアレルギー検査です。
おもな治療方法
アレルギー性結膜炎のおもな治療法は、薬物療法になります。抗アレルギー点眼薬がおもに使われ、症状が強い時はステロイド点眼薬や内服薬を用いることもあります。
花粉症であれば、花粉が飛散する2週間ほど前から治療を始める「初期療法」を行うことで、症状の予防や症状の出る期間の短縮、症状の軽減ができると言われています。また予防が大切ですので、外出するときは、目や鼻の粘膜に花粉が付着しないようにゴーグルやマスクをすること、外出から帰ってきたら室内に花粉が入らないように注意し、できるだけ花粉から遠ざかるようにしましょう。
スギ花粉症に関しては最近、舌下免疫療法という新しい治療法が登場しました。スギ花粉を少しずつ体内に取り入れることで、徐々に体に慣れさせようとする治療法です。治療は長期間かかりますが、根本的な体質改善が期待できると考えられています。
花粉症予防の豆知識
・眼鏡、マスクを着用する。
・外出から帰宅した際は、室内に入る前に衣服についた花粉を十分落とす。
・洗濯物を室内に干す。布団は外に干さず、布団乾燥機などを使う。
・服装、特に一番上に着るコートなどはできるだけツルツルした凹凸のない素材の服を選ぶ